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環境・電池の技術ロードマップと利用シーンの将来像


「EVの充電に課金すべき」が80%超,
業界関係者のアンケート調査結果から


[2010/01/15]


 テクノアソシエーツは,電気自動車(EV)やプラグイン・ハイブリッド車(PHV)の普及に向けた課題を明らかにするため,EV/PHVの製造や利用にかかわる業界関係者に対し,アンケート調査を実施した※)。回答したのはEV/PHVの利害関係者であることから,それらの普及は加速するとの見方が多く,今後5〜10年は国や自治体からの補助金を期待しながらも,充電インフラでは行政に頼らないビジネス・モデルの構築が必須との意見が大勢を占めた。

ハイブリッド車以上のペースで普及

 まず,EV/PHVの普及率についてである。ハイブリッド車の普及率を参照し,それと同様のペースである「2015年に0.4%,2025年に1.6%」(国内保有台数)が妥当か否かについて聞いた。このペースが妥当とする見方が42%,このペースよりも速く普及する(すべき)という見方が44%となった(図1)。個別意見として,「2015年で10%に達する」という,より積極的な見方,「2020年にEVが200万台」との見通しや,「補助金やエコカー減税などの政策によって左右される」との指摘もあった。一方で,少数ではあるが「ハイブリッド車に比べてEV/PHVの普及は遅い」という保守的な意見もあった。
 次に,EV/PHV普及における国や自治体の関与について聞いた。EV/PHVに搭載するLiイオン電池がまだ高価なことから,車両価格も割高になる。このため,現在では国や自治体からの補助金や減税措置に頼っている部分が大きい。こうした行政からの支援策がいつまで求められるかについては,回答者の過半数が,2020年まで必要と見ており,2015年まで必要とする回答者と合わせると90%に達した(図2)。今後の5〜10年はEV/PHVの普及を行政が支えてほしいという期待を反映する結果となった。

「EV/PHVの普及率が『2015年に0.4%,2025年に1.6%』は妥当か」
 
図2●「EV/PHVの普及推進で自治体の関与はいつまで必要か
図1●「EV/PHVの普及率が『2015年に0.4%,2025年に1.6%』は妥当か」
 
図2●「EV/PHVの普及推進で自治体の関与はいつまで必要か


図3●「充電インフラにおいて課金をすべきか否か」
図3●「充電インフラにおいて課金をすべきか否か」


「電気代は安い」という常識が足かせ

 そして,充電インフラにおいて課金すべきか否かについて聞いた。80%を超える回答者が,近い将来何らかの形で課金を実施すべきとした(図3)。「電気代は安い」という固定観念が人々にあるものの,どの業種の回答者も無償で充電サービスを提供すべきでない,またはできない,という見方である。従来のガソリン車では,給油の際に対価を支払うのが当然であり,これは自動車のエネルギーが電気になっても不変,原則として受益者負担とすべきという考え方である。ただ現状ではEV/PHVがほとんど普及していないことから,すでに設置されている急速充電器は無償で開放されている。EV/PHVの車両数の増加とともに,いつ,どのような形で充電を有償化するかというところが論点となる。

 例えば急速充電器の場合,本体価格の350万円に加え,設置費用が数百万円かかり,しかも50kWのスペックだと高圧受電契約となり,基本料金もケタ違いに高くなる。ユーザーに「電気代は安い」と思われている中で,その投資を回収することは一般論としてハードルが高い。会員制にして顧客を囲い込む,購買ポイントを充電サービスで還元する,といったアイデアは出ているが,多くがまだそのビジネス・モデルを決めかねている。対応策として,高砂製作所やハセテックといった充電器メーカーは,本体価格や基本料金を下げられる10〜30kWの派生版の品揃えを始めている。

 このほか,EV/PHVの普及に向けた課題として,「蓄電池の低コスト化」,「充電インフラの整備」,「人々の意識の変化」の視点でさまざまな議論がある。今回、テクノアソシエーツは、これら議論について調査分析レポート「EVの普及と社会システムの変貌に潜む20の仮説」としてまとめている。

(朝倉 博史=テクノアソシエーツ)


※)アンケート調査の方法 本調査では,EV/PHVの製造や利用にかかわる電池メーカー,自動車メーカー,タクシー会社,住宅メーカー,小売り店舗,石油元売り,電機メーカー,電力会社,地方自治体など約40社・団体に対して対面形式でヒアリングした。有効回答数(N)は36である。

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