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製造戦略から見たHV・PHV・EV動向と今後〜部品メーカーの電動車戦略とOEMの調達・内製化はどこまで進んでいるのか?

自動車部品 / 電動化と共通プラットフォームの余波
[2013/01/18]


Tier1の電動車戦略
 電動部品を幅広く手掛けるTier1や部品メーカーにとって、今後の自動車の電動化の流れは市場拡大の好機である。
 電動車のサプライチェーンを見ると、主要コア部品から電動パワートレイン全体まで幅広く展開しているTier1の存在が、より大きくなってきている(図1)。中でも上位30社の電動化コア部品の取り組み概況から、上位部品メーカーほど電動部品のフルライン強化の傾向が見られる。eモビリティで電動部品をフルラインナップするサプライヤーも台頭し、過去の「ディーゼル部品一括納入の構図」が電動車でも再現される可能性は高い。
 大手部品メーカーの動きを追ってみると、市場をリードする大手自動車メーカーとパートナーを組み、次に電動車の開発に手が回らない先進国自動車メーカーをサポート、そして開発余力の乏しい新興国自動車メーカーに対して電動パワートレインを丸ごと納める、といった流れの戦略が見てとれる。こうして、Tier1は先進国を相手に技術を磨いた後、新興国でさらに一段飛躍する。一方、製品分野は狭くても強みのあるコア電動部品を持つ企業にとっては、クルマの大小やパワートレインの種類に限定されず、広いセグメントで世界中に部品を供給することで、これまで取り引きの無かった海外大手自動車メーカーから新興自動車メーカーまで、一気に市場が広がる可能性がある。

図1●世界の電動車のサプライチェーン
図1●世界の電動車のサプライチェーン
(公開情報を元にテクノアソシエーツが作成)

プラットフォーム統一による部品の共通化
 今後、電動車と部品に求められるのは、プラットフォーム統一化への対応と海外生産や開発も含めた現地化への対応である。独Volkswagen(VW)の高い利益率にも貢献している共通プラットフォームの導入は、他社を含めてもうすでに引き戻せない流れとなっている。今後、各社プラットフォームの普及が進んだ先では、部品やサプライヤーに対する選択と集中が進むのは明らかである。
 こうした中で、Tier1企業にとって今後の施策して必要なことは、(1)電動部品を核とした技術提案の強化、(2)合弁を含めた海外現地化対応、(3)顧客基盤拡大による量産と低コスト化であり、事業成功のカギとなるだろう。電動車の取り組みが遅れている部品企業は、例えば他社部品事業やエンジニアリング会社へのM&Aによる加速化や電動車部門の再編も考えられる。

電池メーカーの戦略
 工場建設ベースで見た電池・電動車の量産規模では、EV換算で年産50万台クラスのグループと、年産5万台未満のグループに2分される。当然、販売してこそ意味のある数値だが、量産規模の拡大でコスト競争力を高める意図がある。量産規模の拡大は低コスト化を達成する必要条件でもある。
 国内勢の一部ではEV換算ベースのリチウムイオン電池(LiB)量産規模で見劣りする点が懸念される。計画の量産規模では SB LiMotive、 LG、 AESC、 LEJ の4社が先行している。電動車市場の立ち上がりの遅れから、電池開発・製造の合弁解消、生産中止や変更が多く見られ、電池各社は苦戦している。
 筆者は、大手OEMによる電動車のラインナップ充実、新材料による安価な次世代LiBの開発、販促支援を積み重ねた結果による普及分岐点への到達、インフラ整備などの施策が整う時期を、OEM4社の電動車目標年度(GM2017年、トヨタ15年、ルノー15年、VW18年)の2016年頃になると予測する。そのうえで、各社の開発・生産・販売戦略とその継続が大きな成功要因になると考えている。多数のOEMがLiBをHV車に搭載することを決めている。今後は、EV/PHVより先にHV市場が伸び、電池需要を支える大きな柱となるだろう。

図2●世界のLiBと電動パワートレインのサプライチェーン
図2●世界のLiBと電動パワートレインのサプライチェーン
(公開情報を元にテクノアソシエーツが作成)

コア部品の戦略
 電池セルでは、規模で先行する先頭グループとその他グループに分かれる。モーターはOEM各社ともに内製が中心である。インバーター/コンバーター、制御/ECUの2つは日本企業の強さが際立っている。レンジエクステンダではエンジニアリング会社を中心にシステム提案の動きが見られる。インホイール・モーターはミシェランに注目が集まる。電池部材では、独BASFによる2種類の正極材、負極材、電解液、次世代LiBなど全方位的な展開が注目される。この分野における日本企業の強さも際立っている。CFRP(炭素繊維材)ではBMW/SGLの量産工場と大量採用が先行し、他社OEMへの採用も進む。

 テクノアソシエーツでは、このようなTier1を始めとした部品メーカーの戦略や電動コア部品動向について、各社計画と現状のギャップ、今後の展開、製造拠点の展開状況などの視点で、調査レポート「製造戦略から見たHV・PHV・EV動向 〜部品メーカーの電動車戦略とOEMの調達・内製化はどこまですすんでいるのか?」としてまとめた。電動化によってさ大きく変わる自動車産業を分析・展望している。

(テクノアソシエーツ=木村 勲)



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