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環境・電池の技術ロードマップと利用シーンの将来像


電気自動車とスマートハウス:電池と情報化がカギ
スマートグリッド実現には電池の低コスト化と情報化が不可欠

[2010/03/02]


 テクノアソシエーツの調査分析レポート「EVの普及と社会システムの変貌に潜む20の仮説」の中で提示した仮説で,電気自動車(EV)に関するものとスマートグリッドに関するものを眺めていて,今さらながら気がついたことがある。それは,EVではリチウムイオン電池の低コスト化とともに情報化,IT化が重要となるが,一方,住宅ではスマートグリッドの構成要素として,今後重要性が高まると思われるスマートメーターが必要なだけではなく,こちらでも電池がなければやはり画竜点睛を欠くことになる,ということだ。


EVと充電インフラの整備は,クルマの情報化とセットで進展

 まずEVの方だが,リチウムイオン電池の性能や低コスト化が重要なことは,EVに関心がある方なら既によくご存知のことと思う。では,なぜ情報化やIT化がEVにも関係があるのか。これには,リチウムイオン電池のエネルギー密度がガソリンなど化石燃料のエネルギー密度にはるかに及ばないという,EVの弱点を情報化で補うという意味がある。

日産自動車のEV専用車「リーフ(LEAF)」(東京モーターショーにて)
図1:日産自動車のEV専用車「リーフ(LEAF)」(東京モーターショーにて)

 分かりやすい例は,日産自動車が今年後半に販売を開始するEV専用車「リーフ」だ(図1)。リーフでは,航続距離が160kmと従来車よりも短いが,搭載するEV専用ITシステムで,エネルギー残量に応じた到達可能エリアや充電ステーション位置を表示することができる。現在でも,ガソリンスタンドの数が少ない地方では,カーナビなどで給油できる場所を調べておかないとガス欠を起こして困ることがある。充電インフラの整備が既に課題として認識されているEVで,日産は先手を打ってこの問題へのソリューションを提示した格好だ。


 EVでのIT化を打ち出しているのは,日産だけではない。電池交換型EVによるビジネスを手がける米ベタープレイス社も,バッテリー交換ステーションや充電ポイントを運転手にナビゲーションするITシステムを,同社提携メーカーのEVに搭載するとしている(関連記事)(関連記事)。また,高性能なスポーツカーEV「Tesla Roadster」を製造・販売している米Tesla Motors社も,現在開発中のセダンEV「Model S」では大画面の車載ITシステムで「Google Maps」などをベースとしたカーナビゲーションを搭載すると見られる。EV関連企業だけではなく,情報システム企業からも,例えば日本ユニシスが情報化の進んだ充電インフラのソリューションを提供するといった動きがある。


オール電化住宅やスマートハウスでEVや蓄電池が必要な理由
「ENEX2010」でGEエナジー社は
スマートメーターをプレゼンテーション
図2:「ENEX2010」でGEエナジー社は
スマートメーターをプレゼンテーション

 次に住宅の方だ。近年のエコ・ブームでエコハウスやオール電化住宅の人気が高まっているが,この流れを後押ししそうなのが,米オバマ政権が推進する「グリーン・ニューディール政策」の一環である「スマートグリッド」だ。スマートグリッドでは,住宅のエネルギーを「見える化」するためのデバイスとして「スマートメーター」を使う(図2)。これは,簡単に言えば従来の電力計が電力を単に表示するだけの単純な機能しかなかったものをIT化,つまり「スマート化」して住宅内のエネルギーの細かい計測や制御を行えるようにする仕組みである。
 スマートメーターがスマートグリッドの必要不可欠な構成要素であることは,この分野の情報収集に余年のない方にはごく当たり前の話だろう。では,このスマートメーターが備わった住宅,つまり「スマートハウス」でなぜ蓄電池が必要になるのか。その理由は,そういったスマートハウスの創エネの源である分散電源,具体的には太陽光発電システムや燃料電池は,発電した電気を蓄える機能を現在持たないからである。
 このため,太陽光発電システムや燃料電池を既に設置している家庭の利用者の声としてしばしば耳にするコメントに「エコのために燃料電池を導入したのに,発電した電気をその都度使い切らないといけなくなった」といった類のものがあるのだ。本来,エコのために省エネしなければならないはずが,逆にエネルギーの消費(浪費)を促すことになっては本末転倒である。このような状況で定置型の住宅用蓄電池,またはEVやプラグインハイブリッド車(PHV)への充電という有効な需要があれば,発電した電気を余すことなく効率的に使い切ることができるようになるだろう。


 テクノアソシエーツではこれら課題の視点から,業界関係者のコメント,各種データを踏まえ,今後のEV普及と周辺ビジネスの実現性を検証し,調査分析レポート「EVの普及と社会システムの変貌に潜む20の仮説」としてまとめた。なお,レポート購入者特典として開催予定のセミナーでは,レポートに掲載できなかったEVやPHV、蓄電池や充電インフラ関連の最新市場動向や技術情報などについても可能な限りお話する予定である。

(大場淳一=テクノアソシエーツ)


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