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日経ヘルスラボレポート

4つのアンチエイジング・トレンドが明らかに
第三回 医と農の連携による新たなビジネスチャンスに期待

[2009/08/21]


 2009年7月16日,東京農工大学や金沢大学,京都府立医科大学などと共同で食材と健康の関係について生産工程まで遡って検証する研究連携ネットワーク「アグロ・メディカル・イニシアティブ(AMI)」が発足した。農林水産物,機能性素材・食品等の生体内動態の解析や疾病予防の効果判定に関わる基礎技術を確立し,その技術を食品,農産物の製造・生産に応用することで,超高齢化社会における疾病予防に総合的に寄与することを目指すとしている。AMI理事長で,京都府立医科大学大学院医学研究科消化器内科学教室の吉川敏一教授は,「アンチエイジングや健康を考える上で食の問題は避けて通れない。医の立場で農作物の健康価値,アンチエイジング効果をバイオマーカーやその他の指標を用いてヒト試験等で測定・検証し,エビデンスとしてその効果を定量化することが,ビジネスや産業としての価値を生み出すと考えている」と,展望を語る。

医学と農学が密接に連携するAMI

 7月16日には,AMI発足記念シンポジウムがキャンパス・イノベーションセンター国際会議室(東京都港区芝浦)で開催され,これに先立つ記者会見で,吉川教授は「ゲノミクス,プロテオミクス,メタボロミクスなどの進展により疾患の発症メカニズムや予防アプローチが解明されつつある。また,これらの測定技術の進化は,食材の予防効果や健康増進効果の検証・評価を促進する。これまで医学,農学,工学で個々に進められていたこれらの研究を統合し,生産,測定,評価,実証までを統合して進める体制を構築する」と説明した。その上で,「産業的な競争力を持たせるためには,健康に有用な農作物をエビデンスとともに流通させる仕組みの構築,製法自体の工業化・輸出産業化が重要になるだろう」と指摘した。

 急速な高齢化の進行,食生活の変化による生活習慣病の増加や農産物の栄養価の減少など,日本人の健康を取り巻く環境は必ずしも明るいとはいえない。また,日本人の健康と食を支える農業も産業全体の高齢化,新たな担い手の不足などにより農村の疲弊や国内自給率の低下という問題に直面している。
 これからの日本人の健康は,疾患の治療だけでなく,予防的な観点からの農林水産物,食品素材の評価,その生活基盤である農業の技術革新なども含め総合的な視野に立って取り組むことが不可欠となっている。AMIは,「医学と農学の密接な連携の下に,農林水産物の品質,機能性,安全性を科学的評価方法に基づき検証し,農林水産物の新たな価値を見出すもので,その成果を活用して,より優れた疾病予防と健康の維持増進効果を有する農林水産物の生産や加工,流通等の実現を目指す」(吉川教授)としており,アンチエイジングの新たな成長基盤として期待がかかる。

 今回,これら調査分析について,日経ヘルスラボレポート「アンチエイジング・機能性化粧品の市場・技術動向2009」(発行:テクノアソシエーツ)の中でまとめた。本レポートでは,アンチエイジング研究をリードする有識者や研究者,企業への取材や消費者へのアンケート調査を基にアンチエイジングの市場動向や研究開発動向をレポートしている。加えて,知財調査・コンサルティング会社であるSBIインテクストラの調査協力により,市場のメインプレーヤーである化粧品メーカー,原料メーカーなどの特許出願状況を分析。各社の技術競争力と地域戦略の側面から,アンチエイジング市場の行方を見通す。

(テクノアソシエーツ 笹木雄剛)



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