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吸着・排出で腸内環境を改善する新素材「ダイエタリーカーボン」
糖化物質の吸着効果にも期待
[2010/08/16]

 金沢医科大学発のベンチャー企業であるエムシープロット・バイオテクノロジー社は、同社が開発した食用炭「ダイエタリーカーボン」に腸内環境を改善する効果があることを明らかにした。
 このダイエタリーカーボンは、同大プロテオーム生命科学の友杉直久教授と同社が高純度の結晶セルロースを原料に開発した新しい“炭”素材。現在、サプリメント「食べる純炭〜ル・カーボン」(写真1)としてシークワット社が販売するほか、食品・飲料メーカー、化粧品メーカー等への原料供給も展開している。

写真1:食べる純炭〜ル・カーボン
 今回の腸内環境改善効果は、男性2名(28歳、49歳)を対象に検証したもので、1回200 mgのダイエタリーカーボンを毎食後サプリメントで摂取し、摂取前と摂取2ヵ月後の腸内細菌の状態で確認した。具体的には、糞便1gを対象に総菌数、乳酸菌数、ビフィズス菌数を測定した。その結果、いずれの男性も摂取2ヶ月後に、総菌数、乳酸菌数、ビフィズス菌数ともに増加し、腸内環境細菌叢の改善が確認された(図1)。そのメカニズムについて友杉教授は、「ダイエタリーカーボンが腸内で悪玉菌が産生するアンモニアやインドール等を吸着し、腸内の炎症を抑制し、善玉菌が生育しやすい環境を整えるためと考えられる」と話す。

 腸内でインドール等を吸着し、腎機能の低下を抑制する腎不全治療薬「クレメジン」も、石油系ピッチを原料とした球状活性炭を用いており、すでに炭の吸着特性は臨床応用もされている。腸内環境の改善は、従来の整腸効果に加え、免疫・アレルギーや肌の健康、糖尿病等との関連も注目されており、腸の健康は今もっとも注目を集めている研究分野の一つである。実際、基礎研究レベルではダイエタリーカーボンの吸着特性に起因する多様な機能性、健康効果が示唆されている。ダイエタリーカーボンは、腸内環境の改善を通じて全身の健康に寄与する新たなプレバイオティクス素材として注目を集めそうだ。

図1: 腸内環境を改善する純炭


生活習慣病、肌のたるみ・くすみ等に関与する糖化たんぱく質
 これまでダイエタリーカーボンの吸着活性が確認されている物質は、上述したアンモニアやインドールに加え、インドールをもとに肝臓で生成されるインドキシル硫酸、食品添加物であるソルビン酸(保存料)や亜硝酸ナトリウム(発色剤)、加齢臭の原因物質であるノネナール、糖とたんぱく質が不可逆的に結合した終末糖化産物(AGEs)など、多岐に及ぶ。
 中でもAGEsは、糖尿病や高血圧といった生活習慣病、骨粗しょう症、認知症などの病気や肌のたるみ、くすみなどに関与することが近年明らかになり、研究が進められている。現在、100種類以上のAGEsが確認されており、(1)食品・飲料から摂取するAGEs(食事性AGEs)と(2)食品・飲料などから摂取した糖が細胞内でたんぱく質と反応してできたAGEs(生成経路によりAGEs-1〜AGEs-6に分類)、に大別される。

糖化たんぱく質を吸着するダイエタリーカーボン
 生体内のAGEsを減らすためには、(a)食品・飲料から摂取したAGEsの吸収を阻害する、(b)細胞内/外の糖化反応を抑制する、(c)糖分の過剰摂取を控える、という3つのアプローチが考えられる。食事性AGEsの1つであるグルコース由来のAGEs(Glc-AGEs)の吸着活性を比較した試験では、ダイエタリーカーボンはクレメジン、ペット用炭食品(ネフガード)より大幅に高く、農薬誤飲の治療等に使われる薬用炭とほぼ同レベルであることが確認されている(図2)。同比較試験を主導した北陸大学薬学部の竹内正義教授は「経口摂取したダイエタリーカーボンは、腸内で食品中のAGEsを吸着し、体内への吸収を防ぐ効果が期待できるだろう」と話す。

図2: 純炭はグルコース由来のAGEsの吸着活性が高い

 

 食品に含まれるAGEsは、そのおいしさを増す作用がある。一方、過剰に摂り過ぎると、生活習慣病の発症・進展のリスクを増大したり、肌の老化を加速する可能性がある。食事性AGEsの吸着・吸収阻害による抗糖化は、生活習慣病や肌のたるみ・くすみの予防・改善など、健康・美容の新たなアプローチとして期待される。


●エムシープロット・バイオテクノロジー社 ホームページ
 URL:http://mcprot.co.jp/index.html







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