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薬事法の規制緩和を目指す特区を提案−香川県NPO法人

[2008/11/14]



 NPO法人「環瀬戸内自然免疫ネットワーク(LSIN)」(理事長:上田和男氏)は,11月13日に,「機能性食品において配合素材の機能性やエビデンスなどの表示を許可する」構造改革特区の提案を内閣府に申請したことを明らかにした。素材の機能,安全性,配合量およびこの根拠に関するエビデンスの表示を想定しており,これらの表示を受けた機能性食品の製造と販売を目的としている。

 現在の薬事法では,特定保健用食品(トクホ)を除いて,素材の機能性などを食品に表示することはできない。そのため,機能性食品を開発する多くの企業が,マーケティングやプロモーションにおいて“薬事法の壁”に苦労している。また,トクホの許可取得には,ヒト試験による効果・効能の検証を含め億単位の費用がかかるとされ,中小企業にとってはハードルが高い。
 一方,薬事法で認められた成分以外にも,食品の中には機能性などにおいて明確なエビデンスを確立しているものもある。LSIN理事,兼機能性素材部会長の杣源一郎氏は,「現在,消費者は,エビデンスや機能性を基準に機能性食品を選ぶことが難しい状況にある。今回の特区を契機に,こうした購買環境を改善するとともに,消費者の意識・リテラシーの向上につなげていきたい」と話す。今回の構造改革特区の提案申請が,現状に風穴を開けることができるか注目したい。


“薬事法の壁”を越えた表示・販売を可能に

 現在の薬事法は,「医薬品」「医薬部外品」「化粧品」「医療器具」の4種について,安全性と体への有効性を確保するための法律と位置付けられている。「薬事法に該当する成分・素材ではない」=「体への効果は認められない」という視点で規制されている。そのため,健康志向の食品において素材の機能性などを表示することはできない。

 今回申請した特区の規制緩和の対象法令は,この薬事法。特区の対象地域は,まだ,提案していないが,特区内であれば,“薬事法の壁”を越えた商品表示および製造・販売を許可する。具体的な表示可能項目は,(1)素材の名称,(2)素材の機能,(3)素材の安全性,(4)素材の配合量,としている。最終の商品に関して効果実証がされている場合は,そのエビデンスの強さに応じて米国・食品医薬品局(FDA)に準拠したA〜Dの段階の表示を許可する(http://www.cfsan.fda.gov/~dms/hclmgui4.html)。
 (2)(3)については査読論文として刊行された内容の範囲を超えないこと,(4)については素材の配合量を保証するための確認試験法等が確立していることを要件とする。また,(1)〜(4)の表示は,第三者機関による保証を条件とする。この場合の第三者機関とは,標準作業手順書などを整備し,その保証が妥当であることを公的機関へ登録している分析センターなどを想定している。


候補素材は香川の有力健康素材

 近年,健康産業に係る企業は健康素材の開発・検証体制に力を入れている。免疫活性化物質「小麦発酵抽出物」(商品名:Somacy(ソマシー))を開発した香川県のベンチャー企業,自然免疫応用技研もそのひとつだ。感染症の予防,アトピー性皮膚炎やアレルギーの抑制,高脂血症改善,鎮痛作用など,幅広い生理活性を確認している(関連記事)。LSINでは,この小麦発酵抽出物をはじめ地域の健康素材を発掘し,その健康効果や安全性に関する情報公開,および啓蒙活動に注力している。また,医師や薬剤師,管理栄養士等の医療従事者のネットワークを組織し,免疫活性化成分・食品等の評価・検証体制(ヒト試験体制)を構築している。

 杣氏は「こうした素材の魅力を伝えるためには機能性の訴求が必要だが,現在の薬事法の規制下では限界がある。問題提起を含め,特区の提案を通じて市場環境を変えていきたい」と意気込む。今後,正式認定に向けて,特区の経済効果やエビデンスの評価方法などを検討していく方針だ。




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