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光老化がもたらす「しわ対策」に新アプローチ
新美肌成分ヒメフウロエキスの最新研究成果

[2008/10/14]



 年齢とともに肌のハリが失われ,ちりめんじわや小じわが目立ちはじめる。しわ対策は,美白とともに基礎化粧品の重要なターゲットだ。一丸ファルコス(岐阜県本巣市,安藤芳彦社長)が開発した美肌成分「プリンセスケア」(ヒメフウロエキス)は,しわ対策の新たなアプローチを実現しそうだ。
 ヒメフウロエキスは,紫外線による皮膚の光老化に深く関わっている酵素「トリプターゼ」の働きを阻害し,しわ発生を予防する。今年4月にオランダのアムステルダムで開催された世界的な国際学会「IN-Cosmetic」では,ヒメフウロエキスがヒトの肌において小じわを改善したり,弾力性を向上したりするという研究成果が発表され,注目された。今後,新たな美肌効果を持つ基礎化粧品への応用展開が加速しそうだ。


光老化に深くかかわるトリプターゼ

 トリプターゼは,皮膚組織に存在する免疫細胞の一つである肥満細胞が放出する酵素。紫外線などの外的ストレスを受けると発現することが知られている。
 トリプターゼと光老化の関係が明らかになったのは最近のことだ。2003年,Bossetらは40代から70代の白人女性の皮膚組織を調べ,しわなど光老化が進んだ部位ではトリプターゼが強く発現していることを明らかにした。
 また,トリプターゼは「真皮マトリックス」を構成するT型コラーゲンを直接分解するとともに,W型コラーゲン線維の分解酵素「MMP(マトリックスメタロプロテアーゼ)」の活性化を促進する。そのため,紫外線などによりトリプターゼが過剰に増加すると,肌の弾力性低下などの光老化が起こると考えられている。中でも,近年,光老化との関連で注目が集まる表皮基底膜の破壊に深く関わっていることが確認されている(図1)。

図1:細胞外マトリックスへのトリプターゼの作用
図1:細胞外マトリックスへのトリプターゼの作用



ヒメフウロエキスに強いトリプターゼ阻害活性

 植物など天然物に含まれる有効成分の研究開発企業として知られる一丸ファルコスは,肌の光老化を予防・改善する全く新しいアプローチとしてトリプターゼに注目した。
 トリプターゼの働きを抑制すれば「真皮マトリックス」の破壊を防ぐことができる。一丸ファルコスでは,200種類以上の植物抽出物を対象に,トリプターゼ阻害効果を分析した。その結果,フウロソウ科フウロソウ属ヒメフウロ(写真1)の抽出物を精製したヒメフウロエキスに,強いトリプターゼ阻害活性があることが分かった。さらに,実際の皮膚組織で起っていると考えられるトリプターゼによるT型およびW型コラーゲンの分解を抑制することも確認した。

写真1:ヒメフウロ(姫風露)
写真1:
ヒメフウロ(姫風露)は,北半球の温帯地方に広く生育するフウロソウ科の植物で,日本では本州や四国の一部の石灰岩地帯で見られる。



 ヒト皮膚におけるしわ改善効果も確認している。20〜50代の男女10名を被験者とし,各被験者の左右の目の周囲にヒメフウロエキス3%溶液を,1日3回,12週間塗布。塗布前と10週目にシリコンゴムによる試験部位のレプリカを採取し,しわ面積と最大しわ深さを計測した。その結果,しわ面積,最大しわ深さともヒメフウロエキスによる改善作用が認められた(図2)。

 最新の研究成果をまとめた論文は,今年4月に権威ある皮膚科学雑誌『Archives of Dermatological Research』に掲載されたほか,アムステルダムで開催された国際学会「IN-Cosmetic」でも発表された。
 ヒメフウロエキスの開発に携わってきた同社開発部研究開発課主査のアルナシリ・イダマルコダ氏は,「トリプターゼは表皮基底膜の破壊に伴う光老化の重要な因子であり,トリプターゼの活性抑制がアンチエイジングにおける新しいターゲットになりうる」と話している。
 現在,ヒメフウロエキスは国内のいくつかの化粧品原料として採用されており,今後,化粧品によるしわ対策の可能性を広げそうだ。

図2:プリンセスケアのしわ改善作用
図2:プリンセスケアのしわ改善作用



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