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太陽電池・発電業界の変革シナリオ2009

太陽電池のシステム導入費用,低減の決め手は工事コスト
将来はモジュール・コストを上回る

[2009/06/18]

 太陽電池システムを導入費用から見た場合,モジュール原価のみならず,工事原価も見逃せないコスト要素となる。今回,テクノアソシエーツは太陽電池のシステム導入費用のシミュレーションを実施した。工事原価の年ごとの変化について,架台設計の見直し,架台部材数量の削減,架台の標準化,周辺機器の標準化,変換効率の向上による太陽電池モジュール設置面積(設置枚数)の減少,施工の共通化・標準化等に加え,設置工事や電気工事に習熟することによるコスト削減効果も考慮している。過去における太陽電池システム設置費用の推移も参考にしている。

 結晶Si系太陽電池システムの導入費用のコスト構成を見ると,モジュール原価の占める割合は2007年の43%から2030年の32%に低下する一方,工事原価の占める割合は2007年の30%から2030年の47%に上昇する。システム導入費用に占めるモジュール原価と工事原価の割合は,将来,逆転する。その時期は,2012年と見られる(図1)。

 このような見通しに基づけば,システム導入費用低減に向けた取組みの力点がよりいっそう工事原価に向けられる可能性もでてくる。工事原価の低減に当たっては,周辺機器,モジュール取付け部材(架台),電気工事,設置工事等施工段階に関わる事業者の協力体制が不可欠であることは言うまでもない。それに加え,今後は,モジュール・サイズの標準化やモジュール設置枚数の削減といったモジュール段階からの工事原価低減の意識や視点もよりいっそう求められてくることになろう。

 テクノアソシエーツは,これら調査分析を「太陽電池・発電業界の変革シナリオ2009」としてまとめた。本レポートは,太陽電池関連企業のROI(return on investment)を評価する上でベースとなる「発電コスト」のシミュレーション手法を提供するものである。類似の予測データと質的に異なるのは,今回はシミュレーションのデータの根拠に加え,方法論も明らかにする点である。よって,今回のシミュレーション結果は,ある想定した初期値を入力した参照例にすぎない。また,今回は太陽電池モジュールに関して既存技術の延長上を前提としたが,実際には多接合型や集光型といった高効率化技術の導入や量子ドット型といった変換効率の理論値を大きく変えるようなイノベーションが起こる可能性がある。こうしたイノベーションによる影響については,研究会の議題とし,そこで得られた知見を次回のレポートに組み込む予定である。

(中村 友亮=テクノアソシエーツ)


図1結晶Si系システム導入費用のシミュレーション
図1:結晶Si系システム導入費用のシミュレーション










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