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太陽電池,次のビジネスの攻めどころ


色素増感型太陽電池コスト・シミュレーション(1)
モジュール・コストの鍵を握る原料コスト


[2010/04/12]


 室内用途などで太陽電池の新市場を開拓し,新型太陽電池の有力候補として注目を集める色素増感型太陽電池(関連記事)。その事業性を検討する上での指標となるモジュール・コストについて,テクノアソシエーツが2010年〜2030年までのシミュレーションを実施したところ,色素増感型太陽電池モジュール・コストの低減に向けては,原料費の低下が欠かせないことが分かった。試算した結果,色素増感型モジュールのコストは,2010年の882.1円/Wから2030年には35.4円/Wにまで低減し,原料費は,668.0円/Wから29.2円/Wへと低減。モジュール・コスト低減の75%は原料費の低減によるもので,モジュール・コストの低減は,原料費の低減がけん引する(図1)。
 モジュール・コストのシミュレーションにあたっては,まず,モジュール構造および製造プロセスを特定。その上で,原料費,セル・モジュール工程設備の減価償却費,人件費などからなるその他コストを積み上げている。

 モジュール構造は,ガラス基板(FTO基板)上に,TiO2の薄膜を形成し,Ru錯体の吸着,電解液の注入などを経て,ガス・バリア樹脂で封止する構造とした(図2)。製造プロセスは,スクリーン印刷方式とした。
 「材料費」,「変換効率」,「ガラス基板サイズ」,「装置生産性」をパラメータとして設定し,2010年,2015年,2020年,2025年に稼働させるモデル工場ごとに,モジュール・コストがどのように推移するかを見てみた。



色素増感型太陽電池モジュール・コスト(2010年と2030年の比較)
図1:色素増感型太陽電池モジュール・コスト(2010年と2030年の比較)


色素増感型太陽電池のモジュール構造
図2:色素増感型太陽電池のモジュール構造


 2010年の原料コストは,各種公開情報や色素増感型太陽電池の研究者や開発者へのヒアリングを基に推定。2030年に向かって,汎用色素,汎用樹脂といった既存の汎用原料価格並みに価格の低減が進むと仮定している。
 変換効率の向上もモジュール・コストの低減に寄与する。変換効率の向上によって,製品当たりの部材や設備の投入量は減少し,部材コストや減価償却費も低減するからである。変換効率は,過去の実績や各種技術ロード・マップなどから,2010年の8%程度から2030年には12%程度に達すると見られる。変換効率向上の効果によって,モジュール・コストは,2030年には,2/3程度にまで低下する。

 テクノアソシエーツは,これら色素増感太陽電池のコスト・シミュレーションの実施結果を,調査分析レポート「太陽電池,次のビジネスの攻めどころ−EV連係,セルフ電源,非住宅用−」(2010年3月発行)の中でまとめた。モジュール・コストのコスト分析結果をもとにシステム導入費用、発電コストの分析へと展開し,結晶Si系との比較分析,世界地域ごとの発電コスト分析を行っている。本レポートには,表計算が組み込まれたデータファイルも同梱し,各パラメータの数値を変えることで独自のシミュレーションの実施も可能となっている。

(中村友亮=テクノアソシエーツ)


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