発行レポート

レポート関連記事

イベント・セミナー


技術&事業
インキュベーション・フォーラム

パネル・メーカーの事業戦略研究2008

FPDテレビの機能・性能向上に飽和感
差異化ポイントの模索が続く

[2008/02/21]

 FPDテレビの製品企画に飽和感が出てきた。今後は画素数や動画再生能力といった画質面での性能向上,大画面化や薄型化といった形状面での差異化,のいずれに関しても大きく改善できる余地が乏しくなってきたからである。この結果,2008年に登場する次世代製品は前世代製品に対してユーザーに強く訴求できる製品企画上の差異化ポイントを提示できない可能性も出てきた。もしこのような状況に陥れば,価格の急落や出荷台数の減少は必須である。特に北京オリンピック後の2008年後半以降は,テレビ需要を盛り上げる大きなイベントもなく,このような時期に製品企画で差異化できないような状況が重なれば,FPDテレビ・メーカーは一気に苦境に追い込まれることになるだろう。このような状況に対して,FPDテレビ・メーカーの準備は整っているのだろうか。

性能や機能で価格急落を緩和
 LCDテレビやプラズマ・テレビなどのFPDテレビは,これまで一貫して価格を低下させて市場を拡大してきた。この事実に疑いの余地はない。しかし,その価格低下も行き過ぎれば市場の健全な成長を阻害し,FPDテレビ・メーカーや関連メーカーの企業体力を奪いかねない。このような状況を抑えるため,FPDテレビ・メーカーはFPDテレビの性能や機能を向上させて前世代製品に対する次世代製品の付加価値を高め,製品価格の急落を緩和する取り組みを続けてきた(図1)。
 FPDテレビの登場後,最初に取り組んだテーマは画面サイズの拡大だった。当初は20型程度だった画面サイズは,現在はLCDテレビの主流が37〜42型,プラズマ・テレビの主流が40型台となっている。さらにLCDテレビ・プラズマ・テレビのいずれでも100型以上が発表されており,価格面を無視すれば技術的には将来の大型化に向けた準備はすでに整っていると見ることができる。
 続いて取り組まれた課題は,CRTテレビ並みの画質向上である。この中には,解像度向上,色再現性向上,コントラスト比向上,動画表示能力向上,視野角拡大などが含まれる。LCDテレビ・メーカーやプラズマ・テレビ・メーカーは,このようなCRTテレビ並みを目指した性能向上を2000年以降に進めてきた。この結果,2006年ごろから「CRTテレビ並みの画質を実現できた」との評価が専門家の間からも出るようになってきた。具体的には,解像度はHDテレビ放送規格の1080iを超えるスペックを実現できており,LCDテレビの弱点とされてきた視野角も上下左右とも十分な性能に達してすでに性能向上は頭打ちになった。このほか,動画表示能力や色再現性,コントラスト比もすでに一般的なCRTテレビのレベルには達している。
 このような画質面の性能向上がひと段落した結果,2007年の差異化ポイントとして急浮上したのが超薄型化だった。LCDテレビを中心では有機ELテレビへの対抗もあり,厚さ10〜20mmといった製品化が相次いだ。2008年には超薄型化の流れがプラズマ・テレビにも波及する可能性があり,発表済みの超薄型LCDテレビとともに量販店には超FPDテレビが勢ぞろいすることになる。なお,コントラスト比ついても有機ELテレビへの対抗から200万対1(測定限界)を達成する技術展示が2007年のCEATECに登場した。

2008年以降の差異化ポイントはどこか
 さて,それでは2008年以降の差異化ポイントはどこになるのだろうか。薄型化はこれ以上進まない可能性が高いことから,再び大画面化や画質向上に進むことになるのだろうか。このようなところにFPDテレビ・メーカーが差異化ポイントを求める可能性は高い。しかし,その一方でこのような差異化ポイントがユーザーに受け入れられない可能性を指摘する声も量販店などから出てきている。

 このような認識の下,「LCDパネル・メーカーの事業戦略研究 2008」ではFPDテレビの最新状況と将来動向を分析した。主要LCDパネル・メーカー5社の事業戦略を事業ミッション,市場認識,技術戦略,製造戦略,製品戦略,販売戦略,事業体制,財務戦略の8項目に分けて多角的に分析,FPDテレビ業界に関連するパネル・メーカー,部材メーカー,装置メーカーなどに指針を示す情報を提供する。

図1: FPDテレビの性能や機能の向上トレンド
図1: FPDテレビの性能や機能の向上トレンド

【無料セミナー】2018年11月7日(水)はじめよう、“調活” 2019
次世代モビリティ:普及シナリオと事業機会
製造戦略から見たHV・PHV・EV動向と今後
医療のICT活用、先行事例に見る成功の秘訣
自動車メーカーの電動車戦略・将来展望 2012-2013
デジタルヘルスケア、消費者価値に見るビジネス機会〜疾病予防・抗加齢編〜
ヘルスケア産業はこうすれば立ち上がる
中国スマート・コミュニティ市場動向・事業機会分析(環境市場編)
中国スマート・コミュニティ市場動向・事業機会分析(低炭素型建築物・コミュニティ編)
蓄電池システムの有望アプリケーションと普及戦略予測・分析
定置用蓄電池はどこまで使われるか
新刊レポート
新刊レポート
EV普及と社会システムの変貌に潜む20の仮説環境・電池の技術ロードマップと利用シーンの将来像太陽電池 次のビジネスの攻めどころ太陽電池・発電業界の変革シナリオ2009自動車の環境対策とエレクトロニクス化LCDパネル・メーカーの事業戦略研究2008情報家電・業界変革マップ−テレビ・携帯電話編LCDパネル・メーカーの事業戦略研究2008韓国ディスプレイ業界デジタル家電・特許マップ−ディスプレイ技術編デジタル家電・特許マップ−電子デバイス実装技術編デジタル家電関連企業の東アジア進出機会FPD業界・装置・部材メーカーの東アジア進出課題 Tech-On!書店バナー

| 産業イノベーションHOME | 電子産業・成長戦略フォーラム |
Copyright (c) 2005-2013 TechnoAssociates, Inc. All rights reserved.
電子産業・成長戦略フォーラム 産業イノベーショントップへ テクノアソシエーツサイトへ