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パネル・メーカーの事業戦略研究2007

投資利益の確保を目指すPhilips,
LG.Philips LCD株を2007年7月以降に順次売却へ


[2007/02/16]

 韓国LG Electronics Inc.とともにLG.Philips LCD Co.,Ltd.の合弁パートナーを構成するオランダRoyal Philips Electronics社は,半導体や受動部品といった周期的に収益の変動に見舞われる事業から,医療用機器をはじめとするヘルス・ケア事業やライフ・スタイル事業への構造転換を推進している。その方針に従い,LG.Philips LCDについても,その持株のすべてを売却することを2006年8月に明らかにしており,実際に2005年12月には,保有するLG.Philips LCD株1800万株を国内外投資家に売却している。この取り引きによって,LG Electronicsは持株比率37.9%を維持する一方,Philipsの持株比率は32.9%にまで低下した(図1)。 Philips ElectronicsとLG Electronicsとの株主間契約上,2007年7月までは,持株比率30%を下回ってはならないという制限があり,2005年12月以降,Philips Electronicsは株式を売却していない状況である。
 Philips ElectronicsへのLG.Philips LCDの利益貢献を見ると,利益に対する比率では2003年を,金額では2004年をそれぞれピークとして年々低下を続けている。加えて,2006年第2四半期以降,LG.Philips LCDは損失を計上し続けており,2006年通期でも損失を計上している。 Philips Electronicsは,保有株式の売却によって損失を補うことなく,LG.Philips LCDへの投資による損失を290億円計上している(図2)。

 先に述べたとおり,Philips Electronicsは保有するLG.Philips LCD株式のすべを売却することを表明しているが,元来,パネル事業での経営主導権に固執していない。そのため,保有株式すべての売却を表明しなかったとしても,株式の売却を進めただろうと見られる。2007年以降もLG.Philips LCDが,損失を計上し続ける状況や周期的に損失を計上し続ける状況が続くならば,Philips Electronicsは, LG.Philips LCD株式の売却によって投資利益を確保するほかないからである。 Philips Electronics会長のGerard Kleisterlee氏は,LG.Philips LCD株式について,特定の企業への株式譲渡は行なわず,株式市場で売却するとしている。2007年7月以降,Philips Electronicsは自由に株式を売却できる。2004年並となる1,000億円にのぼる投資利益の計上を目標に,毎年ある程度の投資利益を確保しつつ,徐々にLG.Philips LCD株式を売却していくことになるだろう。

(中村友亮=テクノアソシエーツ)


図1:LG.PhiipsLCD持株比率の推移
画像
IPO後,両合弁パートナーの持株比率の低下は,当然の流れ。
2005年12月,Philipsは,持株5%を市場で売却している。LG電子は,株式の売却をせず持株比率を維持している。Philipsは,LG.PhilipsLCD離れに向かっている。

図2:LGPhilipsLCDのPhilips利益への貢献
画像
LG.PhilipsLCDのPhilipsへの利益貢献は,年々少なくなっている。2006年には,損失をあたえている。 2006年第3四半期のPhilips純利益は,半導体事業売却益が大半を占める。


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