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自動車メーカーの電動車戦略・将来展望 2012-2013

フランスが日米より先にEV普及国になる可能性
[2012/10/4]


 2010年の欧州乗用車市場シェアのデータを基に、欧州市場における乗用車部門での各メーカーの市場占有率と、各社の電動車に対する開発状況や重点分野に着目したところ、フランス勢のルノー・PSAプジョー社は電気自動車(EV)中心の戦略で先行し、スケールメリットを視野に入れた戦略を展開する一方、ドイツ勢のVW・BMW 社はディーゼル中心の全方位を展開し、出遅れていた電動化分野でも急速に追い上げていることがわかる(図1)

 中でも注目すべき点は、フランスが日本や米国に先駆けてEV普及国になる可能性を含んでいることだ。フランスでは、欧州市場全体で27.5%のシェアを持つ2大自動車メーカーが、EVを中心とした電動車戦略を推進しており、EVの開発・製造・販売計画の全てにおいて他社に対し先行している。(欧州市場では日産もルノー陣営に含む)
 ここで、フランスでEVが先行的に普及するために鍵となる3つのポイントを紹介する。

図1●欧州市場の市場支配力と各社の重点分野
図1●欧州市場の市場支配力と各社の重点分野(データ:テクノアソシエーツが作成)

1.最も販売している車をEVとして投入

 現在、先行予約中で、2012年秋に1.57万ユーロで販売が開始されるルノーの戦略的EV車が当面の鍵を握る。

 フランス国内で販売台数の33%を占めているルノーの最主力“QLIO”(日産マーチとの共同プラットフォームB採用車)のEV仕様車が、バッテリーリース方式により1.57万ユーロで販売(補助金後)される。この価格は、車種と性能が同等であるディーゼル車と比べて同等の値段に設定されており、購入に際してのハードルはかなり低くなっている。日産リーフに対して、全長・電池容量・モーターは1.5割ほど小粒だが、価格はリーフのほぼ半分で販売される。走行距離・車重などはほぼ同じであり、外観も重量感のある“洒落た”フランス車のテイストでまとめられている。事実上、ルノーのEV戦略の社運が掛かっているといえる。(図2)

図2 ルノー・EV車 “ZOE”
図2●ルノー・EV車 “ZOE”(データ元:Renault ニュースリリース)

2.フランス政府のEV支援

 フランスは原発による欧州全域への最大の電力輸出国であり、エネルギー政策と産業育成の一環という側面もある。そのため、EVにかけるフランス政府の意気込みは強い。EV充電スタンドを含め、インフラ分野で40億ユーロ(4千億円)の助成支援がされるほか、バッテリー生産、環境対応メーカーには10年間で25億ユーロ(2,500億円)の助成金制度が導入されている。

3.フランス政府の環境面から見た税規制と優遇

 さらに、フランス政府によるEV支援概要を見ると、CO2排出量に対して補助金だけでなく罰則金制度も用意されており、CO2排出量の多い車種購入には最高2,600ユーロの罰則金が適用される。EV車を購入する場合と比べ、最大7,600ユーロの差が発生する。他国でも環境車に対する購入補助金などは数多く存在するが、罰則金まで踏み込んだ取り組みは見られない。(表1)

表1●環境報奨金・罰則金制度の概要
表1●環境報奨金・罰則金制度の概要(データ:テクノアソシエーツが作成)

 テクノアソシエーツでは、このような欧州市場を含めた@日本、米国、中国の市場動向、A完成車メーカー各社の製品戦略、B新たな運行管理サービスなどのスマート化、C電動車のキー部品である電池の管理技術、といった四つの視点から、調査レポート「自動車メーカーの電動車戦略・将来展望 2012-2013」としてまとめ、電動化によって大きく変わる自動車産業を分析・展望している。
(テクノアソシエーツ=木村 勲)



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