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ディスプレイ技術編

LCDテレビの原価分析,流通コストが低価格化のカギ
[2006/06/30]

 大型LCDテレビのさらなる低価格化を実現するためには,LCDモジュールにあたるディスプレイ部分の技術表面,事業面での変革のほかに,流通面での大きな変革が不可欠になっていることが,テクノアソシエーツの調査で分かった。テレビ業界における業界変革領域,いわゆる“ホット・スポット”がどこかを分析した。2005年末時点でのデータを基に,42型(対角107cm)LCDテレビをディスカウント・ショップで販売した場合を想定している。テレビ受像機の場合,流通や貿易に費やすコストが大きく,特に大型LCDテレビの場合,他の情報家電機器と比較しても物流に費やすコストが突出して大きい。このため,今後セット・メーカーは,機器のコスト削減に向けて,流通形態,物流形態の戦略的な見直しを迫られることになる可能性が高い。

 2005年末時点でのデータを基に,42型LCDテレビの原価の内訳を図1に示す。部品・材料のうち,LCDモジュールにあたるディスプレイ部分が,11万3000円と全体の半分を占め,突出して大きいことが分かる。40型級のLCDモジュールは,第7世代や第8世代のガラス基板に対応した製造工場が次々と稼動しているため,25〜30%/年の低価格化を実現する技術面や事業面での変革が,この部分で起こるものと思われる。

 一方,ディスプレイ以外の部分に関しては,デジタルLSIを中心に,機能を向上させなければ,いわゆる「MOOREの法則」に沿って毎年1/1.58のペースでコスト削減が可能である。将来,40型級10万円以下で販売する機種を開発しようとすると,LSIのコストが問題となってくると思われる。しかし,20数万円で販売する現状では,原価全体に占めるLSIの割合がそれほど大きくないため,技術の進歩を性能向上に割り振って製品を高付加価値化した方が得策という判断ができそうである。

 テレビ受像機の場合,流通や貿易に費やすことが大きい。今回のデータではディスカウント・ショップで販売した場合,販売価格の24%を販売店の費用および利益が占めていた,ちなみに一般的な販売店では,この部分は40%にも達する。このことから機器のコスト削減に向けて,流通に関わる部分での変革が不可欠になる。販売店の費用および利益の圧縮は,流通形態を劇的に変えない限り困難である。仮に,販売形態をネット販売に切り替えると,販売に関わる費用などを16%にまで削減できる。また,物流の費用を考えると,大市場周辺での組み立てが有利になる。

【図1】テレビ・セットの原価の内訳
図1:テレビ・セットの原価の内訳

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