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FPDパネルへの設備投資額,各社の企業体力を超える水準に
[2006/08/04]

 フラットパネル・ディスプレイ(FPD)テレビの需要の大幅な伸長を背景に,テレビ用FPDパネルへの設備投資が続いており,その額は3,000億円に達するようになってきた。この傾向は今後も続き,2010年ごろまでFPDパネル各社にとっても大きな負担になっている。そこで,テクノアソシエーツは,FPDパネル各社が実施している設備投資の水準が,各社の企業体力と比べて限界を超えたものになっているか否かを見極めるため,公開情報をベースにした2010年までの設備投資額を,財務的手法を使って分析した。その結果,多くのメーカーにとって,限界を越えた水準であることが分かった。

 今回,テクノアソシエーツが実施したシミュレーションの結果,主要テレビ・メーカー,パネル・メーカー各社の年度別最大可能設備投資額は,図1のようになった。

 松下電器産業の最大可能設備投資額は,2,930億円となる2006年から前年を下回ることなく増加し続け,2010年には6,600億円にまで達する。
 ソニーの2006年度の最大可能設備投資額は,投下資本の効率性の観点からは,設備投資を犠牲にせざるを得ないため,ゼロ近傍というやや非現実的な数値となった。2007年以降については,会社目標である5%の営業利益率を前提とすれば,5,000億円から6,000億円の設備投資が可能となる。

 シャープの最大可能設備投資額は,2010年まで3,500億円を超えることはない。特に,現在のところパネル設備投資のピークとみられる2006年から2007年については,3,000億円程度の最大可能設備投資額しかない。
 潤沢なキャッシュ・フローを背景にした韓国Samsung Electronics Co., Ltd.(サムスン電子)の最大可能設備投資額は際立つ。最大可能設備投資額は,2010年までに9,000億円から1兆円に達する。ただし,2004年の1兆1000億円,2005年の1兆2000億円という設備投資額(実績額)を超えることはない。

 韓国LG Electronics Inc.(LG電子)(連結)については,2008年にかけては有利子負債の削減による有利子負債比率の改善に多くの資金が費やされる。このため,設備投資が後手に回らざるを得ない。有利子負債の削減が一段落をつく2008年以降も,3,000億円程度の最大可能設備投資額しか確保できない。

 台湾AU Optronics Corp.(友達光電)は,2010年まで最大でも2,010億円程度の資金しか確保できない。グループ企業であるBenQ Corp.(BenQ)主導によって,グループ内での液晶パネル製造を強化という図式も無いわけではない。しかし,BenQの最大可能設備投資額は,期間を通じて100億円を下回ることが予想され,BenQにもそれだけの資金的余力はない。

 中国TCL Corp.(TCL集団)については,現行の営業利益率が極めて低く,また売上規模も5,000億円から6,000億円程度と今回取り上げた企業のなかでは小さいこともあって,期間を通じて最大可能設備投資額は,100億円程度にとどまることが予想される。

 設備投資を巡っては,サムスン電子,松下電器産業が,それぞれ企業体力の限界値に近い水準で設備投資を実施し,他社をリードしている。その一方で,シャープのように体力の限界値に近い水準で設備投資を実施しているものの三星電子や松下電器産業に及ばない状態や,LG電子,友達光電のように企業体力の限界を遥かに超えた水準で設備投資に駆り立てられている状態に陥っている様子が見えてくる。

 「デジタル家電関連企業の東アジアでの事業機会」では,日本,韓国,台湾,中国,それぞれの地域におけるデジタル家電関連企業の事業戦略を分析し,市場または研究開発拠点として台頭する東アジアでの事業機会を抽出・分析した。主要家電メーカー各社の事業戦略の成否を占うために,財務分析の手法による設備投資の妥当性検証,およびマクロ経済の動向への適応性検証も行っている。本レポート発行に合わせ,購入者を対象にした研究報告セミナーを,9月1日に開催する。

図1:各社の年度別最大可能設備投資額(2005年以前は,実績値)
図1:各社の年度別最大可能設備投資額(2005年以前は,実績値)

(テクノアソシエーツ 中村友亮)


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