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韓国2社,FPD事業ポートフォリオ再編の可能性
[2006/07/31]

 「フラットパネル・ディスプレイ(FPD)テレビやFPDパネルで覇業を狙う韓国Samsung Electronics Co., Ltd.や韓国LG Electronics Inc.の2社が,LCDとPDPの両方を抱える事業ポートフォリオを見直す可能性が出てきた。」 両社の動向をテクノアソシエーツが分析した結果,このようなことが分かった。今後,Samsung Electronics・デジタルメディア部門の赤字続き,オランダRoyal Philips Electronics による韓国LG.Philips LCD Co., Ltd.,株式売却の影響などから,両社のLCD・PDPのいずれかへの経営資源の集中は避けられず,その過程で,現在の枠組みからのアンバンドリングと新しい枠組みへのバンドリング,すなわち,事業提携や事業再編の動きが起こるのは間違いないだろう。

 Samsung ElectronicsのFPDテレビ事業を含むデジタルメディア部門は,2004年第一四半期に黒字を計上して以降,赤字を計上し続けているが,今後もこのような状態のままにしておくとは考えにくい(図1)。この対策として,LCDテレビ,もしくはPDPテレビのいずれかの方式への経営資源の集中が起こることが考えられる。例えば,Samsung ElectronicsがFPDテレビ事業での経営資源をLCDテレビに集中,PDPテレビを縮小・撤退した場合,パネルを供給している韓国Samsung SDI Co., Ltd.のPDP事業に大きな影響を及ぼすことになる。その場合,Samsung Electronics・テレビ事業に代わる大口顧客の確保が,Samsung SDIにとって必要となってくる。逆に,FPDテレビ事業での経営資源をPDPテレビに集中,LCDテレビを縮小するとした場合,テレビ事業でのLCDパネル需要は,減少することになる。

図1:Samsung Electronics のDigitalMedia部門の売上高と営業利益率の推移
図1:Samsung Electronics のDigitalMedia部門の売上高と営業利益率の推移

 一方,LG Electronics に関しては,2005年12月,Philips Electronicsが,保有するLG.Philips LCD Co., Ltd.,株1800万株を,国内外投資家に売却した。この取引によって,Philips Electronicsの持株比率は32.9%にまで低下し,持株比率37.9%のLG Electronicsが筆頭株主となった(図2)。なお,LG Electronicsは,保有株を当面売却しない姿勢を示している。
 LG ElectronicsとPhilips Electronicsの持株比率の非対称性が今後も拡大するならば,LG ElectronicsにかかるLG.Philips LCDの比重はそれだけ重くなる。他方,外部投資家の持株比率の上昇によって,LG.Philips LCDの公開企業としての資質もより問われてくることにもなる。LG Electronicsは,社内にPDPパネル製造を抱える。LG.Philips LCDにおける「持株比率の非対称性の拡大」と「外部投資家の持株比率の増加」の成り行きが,LCDとPDPという2つの事業ポートフォリオに関する意思決定へ影響を及ぼし,LG.Philips LCD,LG Electronics・PDP事業を巡ってバンドリング,アンバンドリングが引き起こされる可能性もある。

図2:LG.Philips LCDの,LG Electronics,Philips Electronicsによる持株比率の推移
図2:LG.Philips LCDの,LG Electronics,Philips Electronicsによる持株比率の推移

 「デジタル家電関連企業の東アジアでの事業機会」では,FPDテレビをはじめ,世界規模で市場拡大が見込まれているデジタル家電業界について,その一大供給基地である東アジア(日本・中国・韓国・台湾)における外部要因を分析した。さらに,垂直統合型の家電メーカーを中心とした日本企業が競争優位を保つために取り組むべき課題と,他の東アジアメーカーとの戦略的連携が生み出す新たな事業機会について考察している。

(テクノアソシエーツ 中村友亮)


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