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コラム・イベント

2015.10.09

世界のものづくりは新時代に突入
ICCPTがオール光生産の実現を目指す
「第2回 コヒーレントフォトン技術によるイノベーション拠点(ICCPT)シンポジウム」

 「第2回 コヒーレントフォトン技術によるイノベーション拠点(ICCPT)シンポジウム」が、2015年8月21日、東京大学弥生講堂 一条ホールで開催された。文部科学省の研究開発支援プログラム「COI STREAM」の拠点の一つとして活動を開始してから2年が経過。その間の活動状況、研究の成果、今後の方向性について、各研究テーマの責任者が報告した。研究リーダーが、東京大学の総長に就任した五神真氏から常行真司教授にバトンタッチし、装いを新たにしたICCPT。今後の研究の進展に、ますます期待感が高まるシンポジウムとなった。

会場写真

 シンポジウムの冒頭、前研究リーダーである五神真 東京大学総長が、日本のものづくりの復活、および大学と産業界の結びつきを強化した「知の協創プラットフォーム」の実現に向けた、ICCPTの役割について述べた。
 「ICCPTは、大学と研究機関、企業が、知恵と力を出し合って革新的な研究を進め、成果の社会実装を促していく場だ。ここでは、光科学、物性物理学、化学、材料科学といった様々な分野の基礎科学と、産業界で培った生産技術を融合させて、ものづくりのパラダイムシフトを駆動していく。産業界に与える光技術の波及効果は極めて大きい。社会の姿を変革していく起爆剤となり得る。東京大学は、『知の協創プラットフォーム』と呼ぶ本気の産学連携を進める仕組みを機能として追加し、大学で進める知の探求を社会での価値創造に生かしていく。ICCPTの活動を、その先駆けとしたいと考えている」(五神総長)。

社会の期待はますます高まっている

 さらに来賓からは、ICCPTの研究に対する社会の期待が、ますます高まっていることを指摘するコメントが寄せられた。
 COIプログラムの担当部局である文部科学省 科学技術・学術政策局の川上伸昭局長は、「コヒーレントフォトン技術の産業界での有用性は極めて高く、時が経つにつれ、その重要性が高まっている。ICCPTでの研究は順調に進み、着々と成果を挙げていると聞いている。また、具体的にCOI拠点間連携という新しい動きも出てきている。常行新研究リーダーには前リーダーのコンセプトを継承し、ここから世界を驚かせる成果を出してもらいたい」と期待を述べた。
 また、COIプログラム ビジョン3ビジョナリーリーダーの日立製作所 顧問 住川雅晴氏も「COIプログラムは、9年と長い期間を掛けて進める、社会実装を明確に見据えた楽しみの多いプロジェクトである。近年、物質の観察、分析の分野において、科学の大きな進展があった。これらとICCPTの成果を組み合わせることで、人類の夢である思い通りの材料を設計して手に入れる技術が確立できる可能性が出てきた」とした。

東京大学 総長 五神真 氏
東京大学 総長
五神真 氏
文部科学省 科学技術・学術政策局 局長 川上伸昭 氏
文部科学省 科学技術・学術政策局 局長
川上伸昭 氏

新しいフェーズのものづくりに挑む

 そして、ICCPTプロジェクトリーダーの湯本潤司 東京大学大学院理学系研究科附属フォトンサイエンス研究機構長が、ICCPTを取り巻く社会環境と、その中でのICCPTの活動概要を説明した。
 「ものづくりは日本の要である。世界では『Industry4.0』、『Digital Production』といった、ものづくりの新しいコンセプトが登場し、ものづくりの視点が『マスプロダクション』から『マスカスタマイゼーション』へと移ってきている。日本でも、それに対応する技術の確立が求められている。
 産業界でのレーザー光の活用は、これまでは通信分野での応用が中心だった。現在ものづくり分野での加工への利用が急速に伸び、通信分野での応用を追い抜く勢いである。また、半導体デバイスの微細加工に用いる露光技術でもレーザー光の利用が進んでいる。
 レーザー技術の進歩によって、変換効率が向上し、波長領域の拡大、高出力化、短パルス化した光をものづくりに利用できるようになった。ICCPTでは、紫外、可視、テラヘルツと広い波長領域のレーザー光が得られるコヒーレントフォトンリングの活用など、すべての加工工程をレーザー光で行う生産システムの実現を目指して研究を進めている」(湯本プロジェクトリーダー)。

COIプログラム ビジョン3ビジョナリーリーダー 日立製作所 顧問 住川雅晴 氏
COIプログラム ビジョン3ビジョナリーリーダー
日立製作所 顧問 住川雅晴 氏
ICCPTプロジェクトリーダー 湯本潤司 氏
ICCPTプロジェクトリーダー
湯本潤司 氏

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