株式会社テクノアソシエーツ

ものづくり/レーザー加工技術

2015.01.23

未来を支えるものづくりを目指す東大COI拠点:ICCPT
個を生かす持続可能な社会を
光を駆使したものづくりで創出

(3/3)

革新的な技術の確立に向け、さまざまな分野の知見を結集

 こうした現状を打破するため、ICCPTでは東京大学の場を活用し、さまざまな学術分野の人材を集め、そこで外部の企業の開発者を交えて、オープンテーブルでのディスカッションを進めている。人の感覚では捉えることができない現象を、大学のコアコンピタンスである学理の知見で捉える。そして産業界の実践的な課題を始点として、この場で学理の知見とバックキャスト、フロントキャストさせながら、両者がうまく“絡み合った”、汎用性が高く実践的な技術を開発していく(図3)。

図3●ICCFTの概要
図3●ICCPTの概要

 加工に用いる光源を作る、レーザーを当てて起きる特殊な現象を解析する、特殊な現象を新しい加工法に活用する、新しい加工法の潜在能力を生かしたデバイスを開発する、開発した技術を事業化に結びつける。目指す技術を確立し事業化に結びつけるまでの過程では、さまざまな知見を集める必要がある。ICCPTには、研究リーダーを務める東京大学 大学院理学系研究科物理学専攻の五神 真教授をはじめとして、技術の確立に必要なさまざまな分野のニーズとシーズの知見を持つメンバーが、国内の大学、研究機関、企業から参集されている(図4)。

図4●ICCPTの主要メンバー
図4●ICCPTの主要メンバー

効果的な研究開発と円滑な事業化を両立

 ICCPTのゴールは、研究開発した技術を事業化することだ。効果的な技術開発と円滑な事業化を両立させるため、技術開発の進展に合わせて、情報共有の度合いを段階的に変えていく(図5)。

図5●技術開発の進展に応じて情報公開の度合いを段階的に変える
図5●技術開発の進展に応じて情報公開の度合いを段階的に変える

 最初の段階は、「オープンステージ」。秘密保持契約(NDA)に署名した企業同士が、オープンな場で情報共有し、ブレインストーミングする。ここには、大学や研究機関のメンバーが参加し、先端科学で議論されている学術および技術的情報を共有し、シーズとニーズの掘り起こしを促す。

 現在ICCPTには、産業界からは、三菱電機、ギガフォトン、東レが参加している。このうち、三菱電機はファクトリオートメーション向けCO2レーザー加工装置、ギガフォトンはエキシマレーザーの露光機の開発している。東レは、化学素材の分野での革新的な技術の創出を目指している。

広く参加企業が集まる仕組みも検討

 次は「フォーカスステージ」。特定の技術課題や開発課題について限定されたメンバーで調査研究および開発するステージである。参加企業には、どのようなテーマをどのような研究項目で技術開発を進めているのかを明らかにする。ただし、技術開発の中身は明らかにしない。研究項目までを明らかにしておいくことで、波及効果や仲間集めができる余地を作っている。

 最後は「クローズドステージ」。具体的な事業を目指し、企業同士で個別の共同研究契約を締結して、情報を公開することなく技術開発を進める。研究テーマのみを拠点内で公開する。このステージでは、企業主導で製造技術の確立、信頼性の確認等を行う。その中で明らかになった新たな課題に対しては、大学は、企業の活動をバックアップする。

 ICCPTでは、広く、あまねく参加企業を募っている。各企業では、参加を判断する上でICCPTを理解し、また、ICCPTでもどんなシナジー効果があるか考えなければならない。「現在用意している3つのステージに加え、『プレオープンステージ』と呼べる段階が必要になるのではと考えています」(湯本教授)という。新しい時代を切り開くものづくりの手法を共に創出するための門戸は、広く開かれている。

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