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三光化学,LCD製造用トレーで実績のある 静電気対策材料の応用開拓を強化 [2005/03/04] 三光化学工業は,Liイオン伝導による持続性制電材「サンコノール」の応用分野を拡大するための共同開発を推進していく(サンコノールの製品情報)。 サンコノールは,熱可塑性樹脂などに添加することによって,樹脂の表面抵抗率や体積抵抗率を制御し,埃や粒子の付着,静電気の帯電などを防ぐ用途で使われる。すでにLCDやPDPの製造現場で,組立工程中での搬送用トレーに向けた材料として利用されている(図1)。 同社は,樹脂の加工技術と加工機器を保有している企業を募り,サンコノールの基礎データと応用開拓時に必要なデータの収集手法の開示,各種イオン化物の提供することによって,応用分野を共同で開拓する計画である。 図1:サンコノールを応用した42インチ,PDPモジュール工程用のトレー ![]() サンコノールは,樹脂の帯電防止に向けた競合技術に対して以下のような優位性を持っている。(1)樹脂内に練り込まれた高分子イオン伝導路に沿ってLiイオンが移動する伝導機構を用いているため,持続的な制電性を発揮できる,(2)添加量を調整することによって表面抵抗率や体積抵抗率を帯電防止領域から半導体領域まで制御可能,(3)湿度の影響が少なく,払拭・水洗後も効果が持続する,(4)添加物の溶出,離脱による汚染がない,(5)樹脂本来の加工性を維持できる,(6)自由な着色が可能。 たとえば,LCDの製造工程中で用いる従来の搬送用トレーでは,カーボンブラックを練り込んだ製品ではパーティクル脱落が,導電性ポリマーを表面コートした製品では皮膜断裂が,LCDモジュールに搭載したドライバICなどの静電破壊につながる可能性があった。これに対し,サンコノールを用いたトレーでは,均一な練り込みが可能なため,こうした汚染による歩留まりの低下を防ぐことができる。デバイスを安全に取り扱うための表面抵抗率である107〜1010Ω/□の範囲で,目的に応じた表面抵抗率を自由に設定できる(図2)。カーボンブラックを練り込んだ製品では,107Ω/□以上は得ることが困難であり,105〜107Ω/□の範囲において添加量のわずかな違いで大きく値が変動してしまうため,安定した制御が困難でである。導電性ポリマーを表面コートした製品では106Ω/□以下の特性しか実現できない。またサンコノールでは,樹脂の加工性を損なうことがないため,多段積みなど使用条件に応じたトレーの形状と色を自由に設計できる。 図2:各種帯電防止剤の添加量と制電性の関係 ![]() サンコノールは,添加する材料を変えることによって,応用分野を広げることができる。様々な熱可塑性樹脂に添加することによって,LCDや半導体の搬送用トレー,各種光学フィルムなどに応用できる。またゴムやウレタンなどに添加すればプリンターやコピー機などで使用するローラーに,コーティング材に添加すれば紫外線コーティングや塗料として使える。着色は自由であり,透明樹脂にも添加できる。 同社は,Li塩の選定,発熱,発火を防ぎながらLi塩を溶解しイオン化するための方法,樹脂やゴム組成物の製造方法などに関する30件以上のサンコノール関連の特許を出願している。そして,すでにサンコノールを液体フォームでは年間500トン,ポリマー・フォームでは年間2,000トン,生産する能力を保有している。しかし,応用分野を開拓するための技術者が不足している。たとえばトレーなどに応用する場合には,技術者の分野も樹脂設計,シート製造技術の開発,真空成形技術の開発など多様な加工スペシャリストを揃えなければならない。この点を,他社との仮想的なジョイント・ベンチャー体制を採ることによって補い,一挙に多様な用途を開拓できる体制を整える。サンコノールは,応用分野ごとに微妙に組成を変えなければならない。各社が用いるアクリレートの種類が変われば,媒体を変えることになる。三光化学は,秘密保持契約を締結したうえで必要な情報を開示し,こうしたサンコノール自身の応用ごとのカスタマイズや応用製品の製造手法などを共同で開発する。そして共同開発の結果生まれた特許は共有していく。また,三光化学から応用製品の製造委託もしていく。 |
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