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日経ヘルスラボレポート

アンチエイジングをキーワードに拡大するコスメシューティカル市場(後編)
40代以降の女性消費者が主役に

[2009/08/06]


 科学的裏づけに基づくアンチエイジングのアプローチに、もっとも高い関心を示しているのが40代以降の女性消費者である。
 この世代の女性は、加齢に伴う女性ホルモンの減少などによる皮膚の衰えや体調の変化を顕著に自覚している。また、化粧品を使用してきた長年の経験から機能性や安全性に対する要求水準が高く、科学的エビデンスを重視する傾向が強い。一方、「エイジング(老化)に対するケア」は、これまでの人生において実践・経験したことがなく、避けることができない「老い」に対して漫然とした不安を抱えている。そのため、アンチエイジングを標榜する製品・サービスを求める傾向が強く、コスメシューティカル市場成長の原動力となっている。

中でも、40歳前後の独身女性や子供のいない共働き夫婦といった可処分所得の高い消費者、ファッション感度の高いシニア層は、美容関連の消費意欲が旺盛で、彼らの購買意欲を刺激するマーケティング活動や製品開発・上市に力を入れる企業が増えてきている。国内の化粧品の95%に原料を供給しているという一丸ファルコスは、「5年位前から、アンチエイジングをキーワードにした製品開発が、化粧品メーカーの間で盛んになってきた。成分開発においても、これまで以上に機能性に関するエビデンスが求められるようになった」という。実際、各メーカーが力を入れている機能性化粧品を見ると、独自の有効成分を開発・配合し、美白や抗シワなど、アンチエイジング効果を標榜した商品が増えている。
 また、同志社大学スキンエイジング・アンド・フォトエイジングリサーチセンター市橋正光教授は、「シミに関する日本の研究レベルはトップだろう。美白剤の多くは日本で開発されたもので、化粧品の品質や処方技術も高い。また、アンチエイジング全般で見ても日本の研究状況は充実している」という。

独自成分で女性消費者のニーズを掴む化粧品メーカー

 資生堂が2005年4月に発売した美白化粧品「HAKUメラノフォーカス」は、発売から1年半で200万本というヒットを達成。2009年2月には「HAKUメラノフォーカスEX(医薬部外品)」としてリニューアルし、幅広い年代の消費者からの支持を獲得している。
 HAKUシリーズは、シミ部位の慢性微弱炎症状態に作用し、メラノサイトの活性化を抑制する「m-トラネキサム酸」や、メラニン生成に関わる酵素チロシナーゼの活性阻害およびシミ部位の角化プロセスの正常化に効果を発揮する「4MSK」、メラニンが蓄積したケラチノサイトの分裂の低下を防ぐ「白蓮果(ハス種子の乳酸桿菌発酵液)」といった美白や抗シミに対応した成分を配合。科学的エビデンスに基づく機能性がヒットのベースになった。

 花王は、50歳以上の女性向けに「グレイスソフィーナ」シリーズを展開している。50歳前後の女性は、「ハリのなさ」「しみがある」「肌のくすみ」「乾燥」「透明感のなさ」など複数の悩みを抱え、従来通りのケアでは効果を得られなくなったという意識があることに着目。保湿成分(マロニエエキス・ユーカリエキス)、美白成分(カモミラET)、血行促進成分(ビタミンE誘導体)等を配合したスキンケアシリーズ「グレイスソフィーナ メディケイテッド」の他、ベースメイクシリーズとして「グレイスソフィーナ ファンデーション」をラインナップし、50代女性を代表するブランドとして支持されている。

 大塚製薬が開発した化粧品「インナーシグナル」シリーズも注目されている。「メラニンの蓄積を抑え、シミ・そばかすを防ぐ」という日本初となる効果効能を取得した薬用美白成分「エナジーシグナルAMP(アデノシン一リン酸二ナトリウム OT)」を主成分とする化粧品で、メラニンの排出を促し、メラニンの蓄積を抑える。同社は、シミやそばかすなどの根本的な原因として皮膚のエネルギー代謝の低下およびそれによるターンオーバーの遅れに着目、10年の歳月をかけて「エナジーシグナルAMP」を開発した。

 今回,これら調査分析について,日経ヘルスラボレポート「アンチエイジング・機能性化粧品の市場・技術動向2009」(発行:テクノアソシエーツ)の中でまとめた。本レポートでは,アンチエイジング研究をリードする有識者や研究者,企業への取材や消費者へのアンケート調査を基にアンチエイジングの市場動向や研究開発動向をレポートしている。加えて,知財調査・コンサルティング会社であるSBIインテクストラの調査協力により,市場のメインプレーヤーである化粧品メーカー,原料メーカーなどの特許出願状況を分析。各社の技術競争力と地域戦略の側面から,アンチエイジング市場の行方を見通す。

(テクノアソシエーツ 笹木雄剛)



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