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「食の安全・安心」における食品検査の役割
品質管理を強化する技術進化とコスト低減

[2009/03/05]


 原材料などの偽装表示や農薬の混入などの事件が次々と起こる中,食の安全や安心に対する消費者の目が厳しくなっている。一方,「食の安全・安心」を担保する検査技術も,日進月歩で向上している。
 2008年11月12日に開催された「日経ヘルスビジネスカンファレンス2008」では,食品衛生コンサルティングを行うBMLフード・サイエンスの営業本部食品品質部次長,藤田孝氏が消費者の消費行動の変化やそれに伴う食の安全のための検査技術の進歩などについて話した。


多様な消費者ニーズに応える品質管理

 BMLフード・サイエンスは,食品衛生コンサルティングや,品質コンサルティングを行う企業。食品の生産現場や工場,小売店内厨房,レストラン内厨房といった幅広い領域の衛生指導を行っている。これに加え,食品各種表示内容の確認や細菌検査,品質規格試験,苦情の原因究明,再発防止のための改善提案なども行う。藤田氏は,これらの事業を行う中で見られる,近年の消費者意識の変化や,小売業の動き,検査技術の変化などについて紹介した。

 「60年代の消費は,セルフサービスが導入され,大量生産,大量消費の時代で,陳列すれば売れる時代だったともいえる。しかし90年代になると,消費者の商品に対するニーズが高まった。価格のみならず,商品に関する情報提供や商品の付加価値,品質管理が重要視されるようになった。このため,小売業者は品質管理の強化が求められるようになった」と藤田氏。

BMLフード・サイエンス 営業本部食品品質部次長 藤田 孝氏
BMLフード・サイエンス
営業本部食品品質部次長
藤田 孝氏

 一方,食の安全,安心をめぐる検査技術は進歩。またその単価コストは低減してきているという。「例えば病原性大腸菌O-157などの微生物検査は,96年に給食での集団食中毒が明らかになってから実施件数が増加。大量実施により効率化が図れ,その単価費用も低くなってきた。また,近年,注目を集めたノロウイルスや,BSE(牛海綿状脳症)に関わる米国産牛肉の品種識別といった遺伝子分析のニーズが高まり,その精度も上がってきた」(藤田氏)という。

 さらに,「残留農薬検査に関しても,その件数の増加に伴い,以前は数項目で2万〜3万円だった検査費用は,今や100項目で5万〜6万円ほどになっている」(藤田氏)。


別会社や公的検査機関の活用も増える

 とはいえ,「実際に小売業者自身がすべての品質管理をするのは困難。品質管理に客観性を付加するためにも,近年ではリスク管理に別会社や,公的検査機関といった第三者を活用する場面が増えてきた」と藤田氏は話す。そして,「検査技術の向上と価格の低減化により検査を受けやすい状況になっているからこそ大切なのが,どのような検査を,いつ行えば良いのかということだ」と指摘する。

 これは,生産者も同じこと。生産履歴記録簿や,生産工程管理表,栽培管理台帳など,生産に関わる記録類は年々増加するばかり。一方で,これらの記録作業が生産者の負担になっていることも確かであり,記録をチェックする側の作業も多くなる。だからこそ,「それらの記録からいかに正しい生産が確認でき,食の安心につなげられるようにしなければならない」と藤田氏。

 「例えば農薬の取り扱いに関して言えば,保管が適切に行われているのか,使用期限切れの物が使われていないのか,保管農薬の在庫管理が行われているのか,残液の処理がどのようになされているか,空き容器の廃棄方法など細かい項目のチェックができる必要がある。また,実際の農薬の使用においては,散布機器の洗浄などの管理が適切になされているか,収穫前期間の農薬散布のタイムスケジュールがどうなっているのかもポイント。これらをシステムとして管理するため,今後はますます食品衛生コンサルティングの重要性が増していくのではないか」と藤田氏は語った。






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